【Q&A】遺産分割協議が終わった後に新たな財産が見つかったらどうすれば良いですか?
- 2025.02.04
基本的には、新たに見つかった財産の分割方法を決めるだけで良いですが、高価な財産が見つかった場合などでは、遺産分割協議のやり直しが必要となることもあります。
1.遺産分割協議のやり直しは原則不要
新たな財産が見つかったとしても、遺産分割協議をやり直す必要は基本的にありません。新たに見つかった財産の分割方法を、相続人間で話し合って決めるだけで足ります。
ただし、見つかった遺産が高額な場合や、相続人の中の誰かが隠していたものであるような場合で、これらの事情が「はじめから分かっていたら、成立した遺産分割協議の内容では合意しなかった」といえる場合には、遺産分割協議が無効となる可能性があります。
その場合には、改めて遺産分割協議をやり直しが必要です。
2.被相続人の負債が新たに見つかった場合
遺産分割協議が終わった後に、被相続人の借金などの負債が新たに見つかった場合も、遺産分割協議をやり直す必要はありません。
負債は、債権者との関係では、法定相続分に従って各相続人が引き継ぐことになります。相続人間の話し合いで負担割合を決めたとしても債権者には対抗できないため、遺産分割協議をやり直す意味はありません。
また、相続放棄は原則としてできないことに注意が必要です。なぜなら、遺産分割協議が成立した時点で、相続を承認したことになるからです。
ただし、負債の存在を知らなかったことについてやむを得ない事情があり、負債の存在を知っていたら相続放棄をしたであろうといえる場合には、相続放棄が認められる可能性もあります。
負債が長期間にわたって放置されていた場合には、消滅時効を援用できる可能性もあるでしょう。
3.相続税の申告や修正申告を要することもある
新たに見つかった財産の価額によっては、遺産総額が基礎控除額を超えてしまい、相続税の申告と納付が必要になることもあります。
既に相続税の申告・納付を済ませている場合には、遺産総額の変動により、修正申告を要する可能性が高いです。
遺産分割協議を行う前には、財産調査をしっかりと行うことが重要となります。
相続人間のトラブルを回避するためには、新たな財産が見つかったときのルールを、遺産分割協議の中で定めておくことも有効です。
