亡くなった親の口座から勝手に多額の金銭を引き出していた相続人から財産を取り戻した事例
- 2021.05.28
ご依頼者様の属性
年代:50代
性別:男性
争点
遺産分割・預金の使い込み
ご相談に至った背景
被相続人の死後,相続人の一人が,被相続人の相続財産である預金口座から多額の出金をなしたり,株式を売却したりして取り込んだため(計約2600万円),これを取り返したいとのご相談でした。
当事務所の対応
まず,被相続人の預貯金口座や株式の取引明細を確認し,出金額・売却額の調査をいたしました。その後,ご依頼者様の相続分に相当する約1300万円の返還を求めましたが,相手方がこれに応じなかったため,不当利得返還請求訴訟を提訴しました。
その結果
訴訟手続きの中で,相手方が出金額の一部を葬儀代等のやむを得ない費用の支払いに充てたことを立証したため,それらを除外した金額(1000万円弱)を返還してもらう内容で,和解が成立しました。
弁護士所感
相手方が相続財産を不正に出金するなどして取り込んでしまった場合,任意の返還を求めても応じないことがあります。そのような場合は,相手方が相続財産を使い込んでしまわないうちに,早めに訴訟を提起するなどして取り返す必要があります。
今回は,まさにそのようにしてうまく取り戻すことができたケースでした。